高雄市の発展の歴史は、都市空間の要素と文化資産の様相の影響を深く受けてきた。移民都市、軍事基地都市、工業都市、陸海運輸ネットワークの分岐点、貿易都市などの特徴が特に印象強い。これまで高雄は、工業汚染や労働者密集都市というようなレッテルが貼られ、多元的かつ多層的な歴史、人物、生活の陳述が十分にはなされてこなかった。一般の人々、ことに高雄市民に至っても、高雄は「文化の砂漠」と認識してきた。今回、歴史の舞台再現プロジェクトを契機に、文化政策を検討し、都市全体の歴史の記録と全市民の記憶という観点から、高雄の地元の歴史と文化の認識を深めていく。「歴史舞台の再現」によって、有形の空間を無形の記憶につなげ、民政、交通、都市発展、産業発展に高度に協調する市政運営によって、高雄市発展のビジョンを作り上げる。